FX COMICS【青い花5/志村貴子】の感想。

テレビアニメ版も放送されて注目度がアップした『青い花』のコミックス最新第5巻。
注目度が上がったせいもあってか進行スケジュールがタイトになったと作者自身が後書きで述べている通り所々で作画レベルが明らかに落ちているのが目に取れます。繊細なタッチが身上の(こちらが勝手に思ってるだけですが)作品なだけに少し残念でしたね。でも内容はあいかわらず秀逸ですので御安心を。

その内容ですが、あきらに思いの丈をぶつけた万城目ふみとその想いにどう答えたらいいか分からずに思い悩む奥平あきらの心情がきめ細やかに描かれていきます。


前半のストーリーは第4巻から続く藤が谷演劇祭の劇中劇『鹿鳴館』のエピソード5〜8話。主演を務める井汲京子自身が置かれている境遇と鹿鳴館の物語をシンクロさせる形で展開していきます。ヒロインの一角だけあって深みがある心理描写がされています。逆に相手役の新キャラ上田良子に関してはこの5巻ではあまり他のキャラとの絡みも無く深く描かれてないので今後のお楽しみって感じ。

代わりに同じ4巻からの新キャラ1年生の大野春花は自分の姉やふみが同性に恋愛感情を抱いてるという現実を目の当たりにしたことで価値観に変化の兆しが出てきたかのような描写がされています。


『宴のあと』のエピソードはふみの過去の話とふみを“こっちの世界”に引き込んだ従姉妹の花城千津との再会が描かれています。短い内容ですが千津との関係を自分の中で清算する事でふみが少し成長したように見える感じがしましたね。


夏への扉〈前編〉』は夏休みを迎えるにあたって又もや主要メンバー全員で避暑地で過ごすという話ですが…いよいよ再登場します。アイツが(笑)。

杉本恭己、凱旋。
果たしてどんな修羅場が待ち受けているのやら…。第6巻が待ち遠しい限りです。

青い花 5巻 (F×COMICS)

青い花 5巻 (F×COMICS)