ジェッツコミックス【当て屋の椿4/川下寛次】
もはや惰性で購入してる感がある『当て屋の椿』ですが、何だかんだで読むと面白いから困るんですよねぇ(笑)。という訳で第4巻のご紹介です。
第4巻は一冊まるまる『蚕の家』編です。
物語は春画絵師・鳳仙の元に縁起物の猫の絵を描いて欲しいと養蚕農家の当主・深山が訪れるのと時を同じくして椿に行方不明の娘を探して欲しいと依頼が舞い込む所から始まります。
そして鳳仙が訪れた深山の屋敷に渦巻く異様な雰囲気と人々の思惑、かたや行方不明の娘が歯を全て抜かれ口から花を咲かせた姿の死体で見つかる事で二つの案件が点と線で徐々に繋がっていき…やがて真相が明らかになっていく。
今回の第4巻では『人間の憎悪』がテーマになっているっぽいかな。様々な過去を背負っている。それも地獄のような悪夢を目の当たりにしてきた人間が己々抱いている憎悪が激しく交錯している感じ。そして間に垣間見える愛憎劇。読んでて何かやるせなくなりますね。みんな怖いです。鳳仙と椿がまともな人間に見えます(笑)。最近流行りの“ヤンデレ”じゃなく文字通り“病んでる”人々ばかりです。
そして、お約束のエログロですが…ちゃんとあります(笑)。愛憎劇を描いてるだけあってお色気描写は多めです。で、蚕が話しに絡んでますので蟲描写も多めです(笑)。蟲を見るのも嫌という人はご注意を。
相変わらず救いようがない話でしたが、ちゃんと話は収まっているのが『当て屋の椿』の人気の一つですかね。酷いエピソードばかりなのに不思議と読後感はいい良作。この辺が最近出回っている荒唐無稽、消化不良の『ヤンデレ漫画』との差でしょうかね(笑)。
- 作者: 川下寛次
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2010/08/27
- メディア: コミック
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